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2016年12月24日 (土)

12月議会 ヘイトスピーチ関係①

12月議会の報告をします。まずは、ヘイトスピーチ関係を2回にかけて行います。

「公人のヘイトスピーチを許さない会」の方たちから、「請願」が提出されましたが、その際に紹介議員を何人かにお願いをしたそうです。残念ながら日本共産党の2人以外は受ける人ができなくて、紹介議員は徳永克子と田中次子の2名です。
請願は委員会に付託せずに、本会議で採決を行いました。結果は、賛成8名・反対11名でした。(当事者は採決に加われません) 聞くところによると、賛成した人たちは、小坪議員の投稿した内容がヘイトスピーチかどうかの判断をしたわけでなく、「議員個人に対しての請願は、良いか悪いかの判断そのものをしない」としたそうです。
しかし、それで良いのでしょうか?一般の人ではなく、公人としてのヘイトスピーチの問題は逃げてはいけないと思います。
請願の内容は、以下の通りです。

「小坪慎也市議のヘイトスピーチ助長記事の撤回と厳正な処分を求める」請願

【請願の要旨・理由】

4月14日、熊本を震源地とする最大震度7の大震災が発生、16日には再び最大震度7の本震が起こり、多くの方が被災しました。そのような中、インターネットのSNSなどの中では、地震発生直後から悪質な差別デマが大量に流されました。「熊本の朝鮮人が井戸に毒を投げこんだぞ!」「・・・熊本の皆さんは自警団を組織して自己防衛に努めてください、朝鮮人かの区別には『がぎぐげご』と言わせてみれば分かります」などです。

 これらのデマは明らかに、1923年の関東大震災における朝鮮人虐殺につながった差別デマを模倣したものです。当時、新聞などのマスコミがデマを報道すると、警察・軍がそれらを擁護・助長しました。その結果、住民たちが組織した自警団が朝鮮人たちを虐殺する惨劇が起こりました。犠牲になった朝鮮人の数は数千人に上るとも言われています。絶対に繰り返してはいけない悲惨な歴史であると言えます。

 小坪慎也行橋市議は、16日の本震のあった直後、産経デジタルのオピニオンサイト「iRONNA」に寄稿した文章「『朝鮮人が井戸に毒』に大騒ぎするネトウヨとブサヨどもに言いたい!」で、以下のように述べています。

「『朝鮮人が井戸に毒を入れた』というデマが飛び交うことに対しては仕方がないという立場である。」「治安に不安がある場合は、自警団も組むべきだろう。(中略)しかし、疑心暗鬼から罪なき者を処断する・リンチしてしまうリスクも存在する。そうはなって欲しくないが、災害発生時の極限状況ゆえ、どう転ぶかはわからない。」

 

 これが現職の市議会議員が言う言葉であるとは本当に信じられません。公人であるならば、最初に言うべきは、ネットにあふれる差別デマが根も葉もないものであることを明らかにし、怒りをもってそれを否定し、悪質な差別主義者たちを叱りつけることではないでしょうか。それによって、被災した人たちの不安を取り除くことこそが何よりも先にしなければいけなかったことでしょう。

 震災時においては通信網が遮断され、人々の情報源はネットを頼るしかない場合が多々あります。そのような状況下に流された悪質な差別デマを、小坪市議は明確に否定するでもなく、「仕方がない」という言葉で放置し助長してしまったのです。差別デマに対して「仕方がない」などという言葉は、公人が絶対に使ってはいけない言葉ではないでしょうか。さらに、小坪市議はあろうことか自警団の必要性を説き、それによって犠牲者が出る可能性まで言及しました。「朝鮮人が井戸に毒を入れた」という言葉から、自警団による朝鮮人虐殺という歴史的悲劇までも想起させ、多くの人々に拭いきれない衝撃を与え傷つけてしまったのです。関東大震災時に起きた朝鮮人虐殺に官憲が加担していったように、社会的立場にある市議会議員がデマに対して「仕方がない」と助長、扇動したということです。もし本当に扇動された人々が虐殺につながる行為に及んでしまったら小坪市議はどう責任をとるつもりだったのでしょうか?あまりにも軽率で無責任な言動としか言いようがありません。

また、この文章は、そこに暮らしている朝鮮人・韓国人をはじめとする外国人を、どれだけ不快、不安にさせたことでしょう。現在、日本には多数の外国人や外国にルーツを持つ人々が暮らしています。それらの人々の歴史的背景は実に多様であり、永年にわたって地域の中で暮らし、住民として信頼関係を築き、社会活動に参画している人々もたくさんいます。そのような人たちにとって今回の小坪市議の文章はあまりに衝撃的で怒りを禁じえないものです。

小坪市議は果たして「多文化共生」という言葉を知っているのでしょうか?「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的な違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと」(「多文化共生の推進に関する研究会報告書」平成183月総務省より)であり、日本社会において「多文化共生」はもはや当たり前の施策です。小坪市議は「被災時において外の人を恐れるのは仕方がないし、当然のこととして受け入れている」と述べていますが、このような書き方は「外の人」は疑われ恐れられても仕方がないという排外思想に直結します。被災時だからこそ、地域社会に住む様々な人たちが助け合い、共に生きていけるようメッセージを発し、努力していくことが公人の役割ではないのでしょうか。

差別デマは、それを放置してしまうことこそが問題なのです。放置されたデマは拡散、拡大し、人々の不安感、恐怖心を増大させ、直接的な暴力などとなって現実世界へ出現します。関東大震災では、それが最悪な形となり民族虐殺へとつながりました。今般においては、在日コリアンなどに対する悪質な差別が路上に溢れだし、それが放置された結果、醜悪なヘイトスピーチが全国に蔓延してしまいました。

私たちは、今回の小坪市議の文章は、悪質な差別デマ、ヘイトスピーチを容認、助長するものであると考えます。ヘイトスピーチは、先の国会によって成立した「ヘイトスピーチ解消法」(「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」)によって、社会悪として明確に認定されたところです。

特に、同法の附帯決議(三)には以下の事が記されています。

「インターネットを通じて行われる本邦外出身者等に対する不当な差別的言動を助長し、又は誘発する行為の解消に向けた取組に関する施策を実施すること。」

また、今回の文章は、明確な人種差別撤廃条約違反にあたります。

「国や地方の公の当局・機関が人種差別を助長しまたは扇動することを許さない。」(人種差別撤廃条約 第4(c)

 小坪市議は自身のブログなどにおいて、文章の著作権は先方(運営サイト)にある、扇情的な編集に対して運営者には抗議しているなどと説明しています。しかし、私たちが小坪市議の文章を掲載した運営サイトである、産経デジタルiRONNAに問い合わせたところ、「著作権はiRONNAにはなく、小坪議員本人にある」「小坪議員からの抗議などの事実はない」との回答がありました。

 小坪市議とiRONNA編集側との主張はずいぶんかけ離れています。これまですべての責任が編集者にあるかのごとく書いているのは、この間の抗議に対する責任逃れをするためだと考えます。

 市民の安全や幸福を進めていく地方公共団体やその機関は、「ヘイトスピーチを許さない」施策や状況をつくりだしていくという義務があります。そうした視点に立てば小坪市議の発言や言動は、不当な差別的言動であり、ヘイトスピーチを助長すると言わざるをえません。ヘイトスピーチは公人であろうと私人であろうと許されるものではありません。なおさら公人である小坪市議の発言は、市議としての資格が疑われるものであり、こうした議員が議席を有していることは行橋市議会の名誉にも関わる問題であります。行橋市議会と行橋市が、市民の誰もが安心で幸福を享受できることを願い、以下のことを要請します。

【請願事項】

1. 小坪慎也行橋市議会議員による在日朝鮮・韓国人等に対する不当な差別的言動を助長する記事について、小坪慎也議員が謝罪と撤回することを市議会として決議すること。

以上です。

 

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